【5月5日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、マイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)の伝説的名将ドン・シュラ(Don Shula)氏が4日、90歳で亡くなった。同氏はNFLで唯一のシーズン無敗を成し遂げた指導者として知られている。

 ドルフィンズはシュラ氏が自宅で静かに息を引き取ったと明らかにし、「ドン・シュラ氏は50年にわたり、マイアミ・ドルフィンズの家長的存在だった」「彼はこのチームに勝利をもたらし、ドルフィンズとマイアミ(Miami)市を全米のスポーツシーンに押し上げた」とのコメント文を発表した。

 シュラ氏は1970年に創設間もないドルフィンズの指揮官に就任し、1971シーズン、72シーズン、そして73シーズンの3季連続でスーパーボウル(Super Bowl)に進出するなど、同チームの王朝時代を築いた。しかし、同氏の殿堂入りを確固たるものにしたのは、レギュラーシーズンを14勝0敗で勝ち進み、プレーオフでも3勝を記録して通算17勝無敗のパーフェクトシーズンを達成した1972シーズンの偉業だった。

 この無敗シーズンは、その後に王朝時代を築いた強豪チームすべての目標となった。2007シーズンにはビル・ベリチック(Bill Belichick)HC率いるニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)がレギュラーシーズンで16勝0敗をマークしたものの、第42回スーパーボウル(Super Bowl XLII)でニューヨーク・ジャイアンツ(New York Giants)に敗れており、シーズン全勝をあと一歩で逃している。

 シュラ氏本人が後に最大の自慢として挙げたのは指揮官としての通算成績で、「合計347勝が最大の誇りだ」「誰もこの数字に近づいていない」と2013年に米紙マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)に語っていた。

 NFL指揮官の通算勝利数では、シカゴ・ベアーズ(Chicago Bears)の伝説的指導者であるジョージ・ハラス(George Halas)氏が歴代2位の324勝を記録している。ベリチックHCは歴代3位の計304勝でシュラ氏の記録を猛追しているものの、現時点で数字の上では大きな開きがある。(c)AFP