【5月3日 AFP】スペインで2日、3月14日に導入された新型コロナウイルス対策の封鎖措置が緩和され、7週間も家に閉じこもることを強いられた人たちが外へ出てジョギングやサイクリング、ローラースケートを楽しむ姿が見られた。ロシアで感染者数の急増が報告される一方、イタリアも4日から公園の散歩などを認める予定にしており、一部の欧州諸国でロックダウン(都市封鎖)の緩和が慎重に進められている。

 スペイン政府が厳格な封鎖措置を緩和し、外で運動したり歩いたりすることを許可したのを受け、首都マドリードからマジョルカ(Mallorca)島に至るスペイン各地で多くの人が外に繰り出した。同国では、新型コロナウイルスにより2万5000人近くが死亡し、世界で最も死者が多い国の一つに数えられる。

 マドリードのチュエカ(Chueca)地区に住むファイナンシャルアドバイザーのマルコス・アベイチュア(Marcos Abeytua)さんは、「何週間もの隔離生活で、外へ出て走り、世界を見るのを本当に待ち望んでいた」「昨日の私はクリスマスイブの子どものようだった」と語った。

 規制が緩和されても多くの制約は残る。人口が5万人を超える町では、子どもと高齢者が同時に外出することが禁じられる。

 14歳以上の子どもと成人は午前6~10時と午後8~11時に自宅から1キロ圏内の散歩などが認められるが、1世帯で同時に外出できるのは2人までに制限される。

 70歳以上の高齢者およびその付添人の外出は午前10時~正午と午後7~8時にのみ認められる。14歳未満の子どもの外出は、大人1人が付き添うことを条件に正午~午後7時に限って認める。

 またスペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は、今月4日から公共交通機関でのマスク着用を義務付けると述べた。

 スペインやドイツ、オーストリア、そして北欧諸国では、新型コロナウイルスの感染拡大が抑制されてきたことを受けて段階的に封鎖措置を解除しているが、対人距離を確保するソーシャル・ディスタンシングや、マスクの使用、感染経路追跡のための検査は引き続き実施される。

 2か月にわたり封鎖されていたイタリアでも、4日から公園での散歩や親族の訪問が許可される。レストランは持ち帰りの営業が許可され、卸売店の営業も再開される。(c)AFP/Laurence Boutreux with AFP bureaus