【5月2日 AFP】世界保健機関(WHO)は1日、新型コロナウイルスが自然起源によるものだと改めて主張した。米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、同ウイルスが中国の研究所から発生した証拠を確認したと主張していた。

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 研究者らは新型ウイルスについて、昨年末に中国で発生し、動物からヒトに感染したとみており、野生動物が食肉として販売されていた武漢(Wuhan)の市場で発生した可能性も示唆している。

 トランプ氏は先月30日、武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)がウイルスの実際の発生源であることを示す証拠を確認したと主張。だが詳細については明らかにしなかった。

 WHOで緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は、インターネットを通じて行った記者会見でトランプ氏の主張について尋ねられると、WHOはウイルスの「配列を調査した多くの研究者に何度も確認した」と主張。「われわれは、このウイルスが自然起源によるものだと確信している」と述べ、WHOがこれまでに表明してきた見解を改めて示した。

 ライアン氏はまた、「重要なのは、このウイルスの自然宿主が何なのかを立証することだ」とし、「動物とヒトの種の壁がいかにして破られたか」を理解する必要があると強調。「目的は、こうしたことがまたどこかで発生するのを防ぐため、必要な予防措置と公衆衛生措置を講じられるようにすることにある」と主張した。(c)AFP/Nina LARSON