【4月30日 AFP】サッカー元西ドイツ代表のレジェンドで、W杯ドイツ大会(2006 World Cup)の大会組織委員会会長を務めたフランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏らの大会招致をめぐる不正疑惑の裁判が時効を迎え、判決が下されることなく終了した。

 74歳のベッケンバウアー氏を含む4人の審理は5年にわたってスイスで行われていたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に伴う健康面の懸念により保留となっていて、このほど時効が成立した。ベッケンバウアー氏は罪状を否認していた。

 国際サッカー連盟(FIFA)は28日、発表文の中で「2006年のFIFAW杯ドイツ大会に関する審理が、時効を迎えたため今後行われなくなったのは非常に残念」と記した。

 スイスにおける詐欺疑惑に関する刑事訴訟は、15年以内に完結されなければならない。ベッケンバウアー氏の疑惑は2005年の出来事にまでさかのぼるため、裁判所は今後この件を裁く権利を持たない。

 2005年、FIFAの執行委員だったモハメド・ビン・ハマム(Mohamed Bin Hammam)氏への贈賄罪に問われていたベッケンバウアー氏は、ドイツが2006年大会を開催できるようにするため、賄賂によって「票を買収」したことを否定している。

 2006年W杯の開催地を選ぶ投票では、ドイツが事前に有利とみられていた南アフリカとの決選投票を12票対11票で制した。(c)AFP