【8月7日 AFP】スイスの検察当局は6日、2006年のサッカーW杯ドイツ大会(2006 World Cup)招致をめぐる疑惑に関連して、ドイツサッカー連盟(DFB)元会長のテオ・ツバンツィガー(Theo Zwanziger)氏ら、連盟幹部3人を訴追したと発表した。

 検察によれば、訴追されたのはツバンツィガー元会長と、元事務局長のホースト・シュミット(Horst Schmidt)氏、ドイツW杯招致委員会の一員で、大会組織委の副委員長も務めたボルフガング・ニールスバッハ(Wolfgang Niersbach)氏の3人。さらに、1999年から2007年まで国際サッカー連盟(FIFA)の事務局長を務めたウルス・リンジ(Urs Linsi)氏も訴追されている。

 DFB側は当時、FIFAに約670万ユーロ(約8億円)を支払ったが、4人はその本当の目的を偽っていた疑いが持たれている。検察は、4人が2005年4月に「組織委員会の監督機関を欺いた疑いがある」と発表。4人は疑惑を否定している。

 発表では、1974年のW杯西ドイツ大会で主将としてチームを優勝に導いたドイツサッカー界のレジェンド、フランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏に対する捜査の進捗(しんちょく)も示唆されており、体調が理由で今回の訴追の対象からは外れたことが明かされた。

 検察はベッケンバウアー氏について、「健康上の理由から、連邦刑事裁判所での審理に出席し、聴取に応じることができなかった」と述べた。独週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)も先日、ベッケンバウアー氏の健康状態が4月から大きく悪化し、法廷に立つというストレスのかかる行為は命に関わる恐れがあると報じていた。(c)AFP