【4月27日 CNS】中国・国家航天局は24日、中国初の火星探査計画の名称とロゴマークを発表した。中国の惑星探査計画は「天問(Tianwen)シリーズ」、初の火星探査計画は「天問一号」とそれぞれ命名され、その後の惑星探査ミッションには順次、番号を付けていくとしている。

 この名称は、戦国時代の「楚国」の政治家で詩人の屈原(Qu Yuan)の長詩「天問」から引用され、中国人の真理へのこだわりと宇宙探査に関する文化的伝承を表し、真理を探る道は長く、技術革新の道は果てがないという意味を含んでいるという。

 太陽系の惑星が描かれたロゴマークには、文字「C」のデフォルメにより、中国(China)の惑星探査、国際協力(cooperation)、深宇宙探査の進出能力(C3)など幾重もの意味が込められており、中国の宇宙事業における開放・協力の理念を表している。

 地球の公転により、火星と地球は約26か月毎に互いの距離は最も接近、火星探査にとって最良の時期となり、人類は比較的低いコストで探査機を火星に送ることができる。2020年は火星探査の絶好の機会だ。計画によると、今年、中国は「長征5号(Long March 5)」運搬ロケットを用いて火星探査機を打ち上げ、周回、着陸、表面探査を一挙に実現し、火星に対する総合的な探査活動を行うとともに、火星表面の重点地域で詳細な調査を進める予定だ。

 中国の火星探査機は周回機と着陸機の2部分より成り、中国航天科技集団(CASC)が開発、製造する。火星に着陸した後、火星探査車(巡視機)は着陸機から分離し、着陸地点周囲の巡視・探査と関連作業を行う。周回機は火星探査車の通信中継を担うとともに、周回軌道上からの科学的探査を進めるとしている。

 2020年に火星へ向けて飛び立つのは中国の「天問1号」だけではない。米国の火星探査車「パーシビアランス(Perseverance)」とアラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機「ホープ(Hope)」も打ち上げを予定している。(c)CNS/JCM/AFPBB News