【12月17日 CNS】毎秒10ギガビット(10gbps)の通信能力を持つ中国初の民営5Gブロードバンドシステム搭載の低軌道衛星(Low-orbit satellite)が間もなく、快舟(Kuaizhou)一号甲ロケットに搭載され、12月末に打ち上げられる予定であることが分かった。「銀河航天(北京)科技(Galaxyspace)」が12日、取材に対して明らかにした。

【関連動画】天空に舞う竜 ロケット打ち上げで現れた夜光雲 中国

 打ち上げられるのは、同社が自力開発した最初のQ/Vバンド仕様の衛星で、中国で初めて宇宙分野の民間企業「銀河航天」によって製造された200キログラム級のもの。高度1200キロメートルの軌道を航行し、30万平方キロメートルをカバーできる。この広さは上海市の面積の50倍に相当する。

 創始者の徐鳴(Xu Ming)董事長・CEOは「最初の衛星を手始めに、当社は『宇宙インターネット』の第一歩を踏み出した。将来量産化と低コスト化を進め、高性能の5G衛星の『宇宙インターネット通信網』を構築して、情報格差を解消、5G衛星ネットを地球の全ての地点と接続するつもりだ」と抱負を語る。

 近年来、米国の民間宇宙企業OneWebとスペースX(SpaceX)がすでに低軌道通信衛星の星座配置を先行している。

 銀河航天は世界的先端技術で、国内民間低軌道衛星ブロードバンド初の国際標準に合致する10gbpsの通信能力を実現した。

 5G時代は事実上、すでに開幕しているが、地球の全ての場所を網羅するには、まだ越すべきハードルが目前に立ちはだかる。地上基地局では砂漠や海洋エリアをカバーするのは困難だ。しかし、低軌道衛星はこの難題を解決でき、世界の情報貧困地域の40億人にインターネットを提供できる。

 近い将来、飛行機の中で短編動画を読み込んだり、テレビ電話をかけたりすることが普通にできるようになるだろう。(c)CNS/JCM/AFPBB News