【4月24日 AFP】ドーピング違反で資格停止処分を受けている中国競泳男子の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)が、東京五輪に向けた同国の代表合宿に招集されていたと報じられたことについて、世界反ドーピング機関(WADA)は24日、関係機関に対して説明を要求した。

 波乱に富んだキャリアを持つ28歳の孫は、ドーピング検査の際に検体の提出を拒んだとして2か月前に8年間の資格停止処分を受けていた中、新たな問題に直面した。

 孫は、異議申し立てをしてドーピング違反の裁定が覆らなければ、2021年の東京五輪に出場することができず、実質的にキャリアを終えることになる。しかしながら、中国メディアは23日、通算3個の五輪金メダルを誇る同選手が、4月1日から6月30日に予定されていた代表合宿のリストに名を連ねていたと報じた。

 報道された通知書には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で2021年夏に延期された東京五輪に向けた選手リストが含まれており、その中に孫の名前の記載があったという。

 これを受けて中国水泳協会(CSA)は短いコメント文を発表し、1500メートル自由形の世界記録保持者である孫が、「現在も活動停止処分に服している」と強調した上で、「前の通知書は無効である」と説明した。

 しかし、WADAはこれに納得しておらず、AFPに対する同日の短いコメント文で、「この問題の事実確認をするため、関係機関への追及を行っている」と述べた。(c)AFP