【4月25日 CNS】中国・武漢市(Wuhan)蔡甸区(Caidian)の住民、王娟(Wang Juan)さんは「ありがとうございました!おかげさまで、子供はずいぶん落ち着きました!」と同じ団地内に住むカウンセラーの余紅玲(Yu Hongling)さんに何度も頭を下げた。中学校に通う娘がうつ病になり、新型コロナウイルス感染症対策で街が閉鎖になっていた時に、何回も過激な行為が見られたのだ。

 武漢は8日、封鎖が解除され、感染症との闘いは段階的な勝利を迎えた。生産と経営が徐々に戻るにつれて人々の心理状態にも変化が現れた。湖北省は9日、新型ウイルス感染に関わる心理カウンセリング案を公表し、重点対象者に対する心理カウンセリングと心理的介入を強化し、科学の力で感染に打ち勝つとしている。

「医療関係者から1日に多くて4本から5本の電話を受けたが、状況は想像より悪かった」と武漢大学(Wuhan University)中南医院の高級心理カウンセラーの肖勁松(Xiao Jingsong)さんは言う。「感染が深刻だった頃、第一線で働く医療関係者は終始高い圧力の中に置かれ、息抜きをする暇はなかった。心理的に負のエネルギーをため込んでいた」と分析。「一部の医療関係者は、感染後、家族にうつしてしまい、罪の意識を持っていた。また、隔離治療に入ると、自分を不要なものと考え、精神状態はさらに落ち込んでいった」と語る。

「私は無症状感染者ではないだろうか」「自分が感染したら家族にうつしてしまうのではないか」――武漢の心理カウンセラー、李栄(Li Rong)さんは毎日、電話や微信(ウィーチャット、WeChat)の中で、これらの質問に遭遇した。感染が始まった頃は、多くの人の気持ちは焦りや心配が主だったが、感染が落ち着いてきてからは、心理的な圧力は徐々に生活や身辺の漠然とした不安へと姿を変えつつあるが、それらも適時に心理的カウンセリングが必要と言う。

 肖さんは、新型ウイルスの感染情勢が良い方向に変化するにつれ、社会で「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」などの心理的問題が徐々に表面化するとみている。

 華中師範大学(Central China Normal University)は心理カウンセリングホットラインを設置した。この2か月間、毎日平均約100件のカウンセリングを求める電話がかかってくる。武漢大学中南医院では70人の心理カウンセラーを集め「心理リハビリ団」をつくり、カウンセリングと診療を提供していくとしている。

 荊州市(Jingzhou)社会心理学会は微信や電話、インターネットなどを通して市民に対する心理カウンセリングを行い、その中で、身寄りのない高齢者や身体障害者、鍵っ子など見守りが必要な特殊な人々を発見した場合は特に留意するとしている。(c)CNS-科技日報/JCM/AFPBB News