【4月21日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって深刻な打撃を受けた欧州の一部で20日、平常の生活に戻るための試験的なロックダウン(都市封鎖)緩和に踏み出した。ドイツでは一部の店舗が営業を再開し、ノルウェーでは保育所が再開した。

 新型ウイルスの感染拡大を抑止するために実施されたロックダウンにより、世界人口の半数以上に相当する45億人が外出を制限され、世界経済は停滞している。各国政府はいつどのようにロックダウンを緩和するか、議論を交わしている。

 昨年末に中国中部の工業都市・武漢(Wuhan)で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、これまでに世界で約16万5000人の命を奪った。犠牲者の約3分の2は欧州に集中している。

 しかしイタリア、スペイン、フランス、英国では先週末、毎日更新している1日当たりの死者数が減少し、改善の兆しが見えている。

 欧州で感染流行の阻止に最も成功した国の一つで、政府が「制御できている」と宣言したドイツでは20日、一部地域で小規模店舗の営業が再開された。大都市の大型店舗に関しては、今後試験的な段階を経て、通常営業の再開を見込んでいる。また一部の学校も5月4日から再開される見通しだ。

 ノルウェーでは20日、保育所が再開したが、保護者からは決定を疑問視する声も上がっている。

 感染流行で大きな打撃を受けたスペインはロックダウンを延長しているが、政府は子どもが外出できるよう制限を緩和する意向を示した。

 スペインでは、飽和状態となった医療システムを支援するために設置された仮設施設のうち一部が閉鎖され始めた。マドリード(Madrid)のアイススケート場に設けられていた遺体安置所もこれに含まれている。(c)AFP/Kit HOLDE