発生からパンデミックまで、WHOの新型コロナ対応 時系列で振り返る
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【4月16日 AFP】世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)対応をめぐっては、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が対応を誤ったと非難し、資金拠出を停止するよう政権に指示したと発表している。中国で最初の症例が報告されてからのWHOの対応について、以下に時系列でまとめた。
■中国で初の感染者
2019年12月31日、中国はWHOに対し、湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)市で「原因不明の」肺炎のクラスター(感染者の集団)が確認されたと報告。44人のうち11人が「重症」で、残り33人の容体は安定していた。
2020年1月1日、WHOは原因不明の肺炎の流行への有事対応として、危機対応グループを立ち上げた。
1月4日、WHOはソーシャルメディア上で武漢での肺炎のクラスターにおいて、「死者はいない」と報告した。
1月5日、WHOは科学者と公衆衛生の専門家に向けて、新型ウイルスに関する「流行発生ニュース(Disease Outbreak News)」を初公開した。
1月10日、WHOは全ての国々に「技術的指針」を送付し、感染が疑われる患者を特定したり、検査したり、管理したりする方法について助言した。WHOによると、当時のエビデンスは「人から人への感染はない、または限定的」であることを示唆していたという。
■中国以外にも感染拡大
1月11日、中国がWHOに新型コロナウイルスの遺伝子配列情報を提供した。
1月13日、タイが同国初の流入症例を確認したと報告した。
1月14日、WHOの新興感染症対策部門を率いるマリア・バンケルコフ(Maria Van Kerkhove)氏が記者会見で、確認された41人の患者に基づけば「限定的な人から人への感染が起きる可能性」があると指摘し、より広範囲で流行する恐れがあると述べた。
1月20日と21日、中国と西太平洋地域出身のWHO専門家が武漢を短期間で現地視察。
1月22日、上記のWHO専門家らは、武漢で家族内や医療施設内での濃厚接触を含む人から人への感染が起きたエビデンスがあると指摘したが、「感染が及ぶ範囲を完全に理解するにはさらなる調査が必要」と述べた。
1月22日と23日、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はこの流行が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たるかを判断するため、緊急委員会を招集した。同委員会は、合意に至ることができず、10日後に再び招集されることになった。
1月28日、テドロス氏率いるWHO代表団が北京を訪問。テドロス氏と中国政府は、国際的な専門家チームを中国に派遣することで合意した。