【4月21日 AFP】国際プロサッカー選手協会連盟(FIFPro)は20日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で競技が中断されている中、活動の場が失われて不安やうつ病に悩まされているプロサッカー選手が増加しているとの報告書を公表した。

 FIFProはイングランド、スコットランド、フランス、オーストラリア、そして米国など16か国にわたって調査を行った。対象となった選手1602人のうち、女子選手は468人となっている。

 調査結果によると男子選手の22パーセントと、女子選手の13パーセントがうつ病の症状を報告したことが判明。また、男女合わせてほぼ5人に1人が不安の兆候を見せたという。

 元フランスのサッカー選手で現在はFIFProの医務部長を務めるバンサン・グッテバルジュ(Vincent Gouttebarge)氏は、「サッカー界において、若手の男女アスリートが突如として社会的孤立や仕事の停止、そして未来への不安に対処することになった」と述べた。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を抑えるべく、多くの国で厳しいロックダウン(都市封鎖)の措置が講じられている中、グッテバルジュ氏は、家族と離れて単身で海外生活を送っているプロサッカー選手が大勢いることや、その多くが短期契約であることでさらなる不安を感じていると指摘した。

 FIFProは昨年12月と今年1月にも同様の調査を行っており、調査対象はわずか307人ではあるものの、うつ病の症状を示したのは女子が11パーセント、男子が6パーセントにとどまるなど、数字は今回よりはるかに低いものとなっていた。

 同連盟のヨナス・バエル・ホフマン(Jonas Baer-Hoffmann)事務局長は、「調査を実施してその結果を公表するにあたり、われわれが非常に懸念しているのは、ここで伝えられている内容は広い社会における問題を反映したものであり、サッカー選手以上に大勢の人々がこうした状態に陥っているということだ」と語った。

「もっと理解しておくべきこととして重要なのは、概してサッカー選手というのは、大半の人が考えるよりも実際は一般社会の人々と類似しているということだ」 (c)AFP