【4月21日 AFP】イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)は20日、新型コロナウイルスによる経済的影響を受け、選手とミケル・アルテタ(Mikel Arteta)監督、コーチ陣が12.5パーセントの減給に合意したと発表した。同リーグの選手が給与カットに応じるのは初めて。

 プレミアリーグではサウサンプトン(Southampton FC)とウェストハム(West Ham)が選手への給与支払いを延期していたが、アーセナルはトップチームの選手とアルテタ監督の減給を取りまとめることでさらに一つ先のステップに進んだ。

 プレミアリーグでは、いくつかのクラブが賃金を節約するために選手以外の従業員を一時帰休にしたものの、選手は即時の減給に応じていないと批判されていた。そうした背景がある中でこの2週間に一連の交渉が行われ、今回の減給が決定した。

 アーセナルは当初、選手に対して12か月の減給を提案していたと伝えられている。

 報道によれば、この提案に対する反応は消極的なものだったが、アーセナルはアルテタ監督の力により減給を取りまとめることができたという。

 3月に新型コロナウイルスに感染したものの、すでに完治しているアルテタ監督は15日、27人の選手に向けてビデオ会議で語りかけた。

 アルテタ監督は、普段であれば賃金に関する話し合いに参加するつもりはないが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による前例のない経済的混乱が続く間は、選手にアーセナルを支援する上で、強く一体的な姿勢を取ってほしいと明かしたと伝えられている。

 1年間の賃金支払額が約2億3000万ポンド(約308億円)に上るアーセナルは、仮にプレミアリーグが再開し、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2020-21)出場圏との8ポイント差を埋めることができれば、選手に賃金を払い戻すという話もある。

 アーセナルは発表文の中で「今後数シーズン、主にピッチ上での成功につながる特定の目標を達成できれば、クラブは合意した額を払い戻す」と記している。(c)AFP