【4月20日 AFP】新型コロナウイルスの発生地である中国・武漢(Wuhan)市を本拠地とし、長期にわたって各地を転々としていた中国スーパーリーグ(1部)の武漢卓爾(Wuhan Zall)が18日に地元に帰還し、3か月半ぶりに家族と感動の再会を果たした。

 感染者数と死者数が数千人となった1月、武漢市はロックダウン(都市封鎖)となったため、卓爾はスペインで足止めとなった期間を含め、104日間にわたる激動の放浪を強いられた。

 政府系メディアによれば、武漢市は数週間にわたる都市封鎖が解除されつつあり、選手が同日夜に武漢の駅に到着した際、数百人のサポーターはチャントを歌いながら出迎えたという。

 チームカラーであるオレンジ色を身にまとったファンが横断幕を掲げて歌う中、マスクをつけた選手たちは花束を手渡された。

 卓爾は中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」に、「3か月以上の放浪を経て、ホームシックになった武漢卓爾の選手はついに故郷に足を踏み入れた」と記した。

 スペイン人のホセ・ゴンサレス(Jose Gonzalez)監督が率いる卓爾の選手たちは、今後数日を自宅で過ごし、22日からトレーニングを再開させる。

 昨シーズンのスーパーリーグを6位で終えた卓爾は、「選手は3か月以上会えなかった家族と再会することになる」と続けた。「選手の家族のサポートや理解にとても感謝している」

 卓爾の武漢への帰還は、長い物語における最終章となる。

 1月上旬、卓爾は新シーズンの開幕に向け南部の広州(Guangzhou)でキャンプを開始していたが、その後リーグ戦は無期限の延期となった。 

 その後、同月下旬までに新型コロナウイルスの大流行によって武漢と約1100万人の人口が厳しい渡航制限を強いられる中、チームはスペインのマラガ(Malaga)に渡った。

 しかし、3月に入ってスペインでも感染が拡大し始めると、チームは感染者数が著しく減少していた中国に戻れるよう手配した。

 このとき武漢はまだ都市封鎖されていたため、選手たちはドイツでの長いトランジットを経て、3月16日に南部の深セン(Shenzhen)に渡っていた。(c)AFP/Peter STEBBINGS