【4月14日 CNS】中国・軍事科学院軍事医学研究所生物工程研究所の陳薇(Chen Wei)院士のチームが先頭に立って実施している組み換え新型コロナウイルス(アデノウイルス)ワクチンの臨床試験が、第2段階に入った。武漢市(Wuhan)の熊正興(Xiong Zhengxing)さん(84)は13日、ワクチン接種を終え、臨床試験に参加した最高齢者となった。

 第2期臨床試験は江蘇省(Jiangsu)疾病制御センターが主となり、湖北省(Hubei)疾病制御センターと武漢大学(Wuhan University)中南医院が共同で取り組んでいる。このワクチンは、遺伝子工学の方法を用い、欠損型ヒト5型アデノウイルスを複製したものをベクターとし、新型コロナウイルスのS抗原を表すことができ、感染によって引き起こされる疾病の予防に用いられる。

 中国の組み換え新型コロナウイルスワクチンは3月16日、臨床試験の開始許可を得た。第1期臨床試験は志願者108人を募集。低、中、高3種の投入量のグループに分け、1グループ36人、年齢は18歳から60歳とした。全工程で7回の血液サンプルの採取が必要とされ、主として抗体の検査に使われた。

 第2期臨床試験は、募集対象は満18歳以上の健康な成人とし、湖北省が発行する「健康コード」を保持し、ワクチン接種アレルギーと新型コロナウイルス感染歴がない人が参加した。全工程で4回の血液サンプルの採取が必要となる。

 ワクチンの第1期臨床試験は安全性が重点だったが、第2期では有効性が重点だ。第1期と異なる点は、第2期の規模は大きく、500人に上るとされる。第2期では、志願者らは14日間の集中観察は必要なくなり、自身で安全性の観察を行えばよい。観察期間中には、研究グループは専任者を派遣し、志願者の元を訪問して観察と記録を行うとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News