【4月14日 AFP】スペインは13日、新型コロナウイルスの流行により深刻な影響を受けている経済活動の一部を再開させた。被害の大きな欧州各国では死者数の増加ペースが減少傾向にあることから、流行がピークを迎えた可能性があり、封鎖措置を近く緩和できるのではとの期待が高まっている。

 スペインでは、数週間にわたる厳格な制限措置の結果、新型ウイルス感染症(COVID-19)による新たな死者の数が減り始めており、政府は13日から一部の工場・建設労働者の勤務再開を認めた。政府によると、1日の死者数は517人と再び前日を下回り、1日の新規感染者数も3月20日以降で最も少なくなった。

 米国に次ぎ世界で2番目に被害が大きなイタリアでは13日、死者数が2万人を超えた一方で、重篤な患者の数は10日連続で減少。政府は全土を対象とした封鎖措置を5月3日まで延長したが、14日からは試験的に一部の書店とクリーニング店の営業再開を認める方針だ。

 ドイツでは新規感染者数が減少し、死者数も隣国を大きく下回っており、科学者らは今週から制限措置を段階的に解除するよう勧告した。

 英国では13日発表の死者数が717人と前日をわずかに下回り、累計死者数は1万1000人を超えた。ただ、毎週月曜の死者数は週末の死者数集計が終わっていないことから、他の曜日よりも少ない傾向にある。英政府は今週中に封鎖措置を延長するかを決める予定。

 だが世界保健機関(WHO)は、封鎖措置を可能な限り慎重に解除したとしても、ワクチンが開発されない限り感染拡大を完全に止めることはできないと警告した。ワクチンの開発には1年から1年半かかる可能性がある。(c)AFP