【4月26日 AFP】地球上の動物で最も多くの不正取引が行われているとされるセンザンコウ。全身がうろこで覆われた希少な哺乳類で、その肉とうろこを目当てに密猟が横行しており、中国で特に需要が高い。

 センザンコウは絶滅が危惧されている。この窮状は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の広がりで世界的に知られることとなった。

 新型コロナウイルス感染症を引き起こすウイルスは、中国の生鮮市場で発生したと考えらている。そういった市場では、センザンコウその他の野生動物がさばかれ、売られている。

 華南農業大学(South China Agricultural University)の研究班が1000以上の野生動物の検体を調べたところ、センザンコウと人間の感染者から検出されたウイルスのゲノム配列が、99%一致することを突き止めたという。

 アフリカのガボンでは新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)以降、センザンコウの取引が急減したという。しかし、野生動物の専門家らは、この減少状態が続くかどうか、また、センザンコウの生存にどのような影響を与えるかを判断するには早すぎると指摘する。

■地元少数民族の力を借りて研究

 中央アフリカ南西部にあるザンガサンガ国立公園(Dzanga-Sangha National Park)は、内戦で荒廃した貧しい同国で、動物の生命を守る最後の聖域だ。うっそうとした森は、絶滅の危機にひんしている種にとって、世界で数少ない避難所の一つとなっている。

 研究者のマジャ・グデフス(Maja Gudehus)さんは同国立公園で、センザンコウの寿命や生息地域、食物や生活習慣、生殖周期などの解明を目指すプロジェクトを率いている。

 センザンコウは危険を感知すると丸まり込むため、容易に捕獲できるという。一方、飼育下では、研究するのが最も難しい生き物の一つだという。「センザンコウを数日以上飼育することは難しい。何も食べず、ストレスや胃炎、その他原因不明の理由で死ぬ」とグデフスさんは話す。

 唯一の解決策は、現地のピグミー(Pygmy)の助けを借り、ザンガサンガ国立公園の自然の中で、継続して特定の数匹を観察することだ。少数民族バカ(Baka)の人々の知識は、センザンコウの謎を明らかにするために不可欠なのだという。(c)AFP/Camille LAFFONT