【11月21日 AFP】アフリカの熱帯植物種の3分の1が絶滅の危機に直面している恐れがあることが、予備的な推算で明らかになった。研究結果は20日、米科学誌サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)に掲載された。

【深く知る】人為的影響で生物100万種が絶滅危機に

 哺乳類や鳥類は、国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト(Red List、絶滅危惧種リスト)」で比較的網羅されている。だが、植物種については全35万種以上のうち、レッドリストの評価対象となっているのは10%にとどまっている。

 この問題を解決するため、仏開発研究所(IRD)の植物学者トマ・クブルール(Thomas Couvreur)氏ら研究チームは、熱帯アフリカに生育する維管束植物種2万2000種以上をコンピューターで解析した。データの分析には、仏生物多様性研究財団(FRB)のデータベース「レインバイオ(Rainbio)」を利用した。

 この結果、全体の32%に当たる7000種近くが、絶滅の恐れがある、または絶滅の可能性が高い種に分類されることが明らかになった。この分類は、IUCNが認める個体群と地理的分布の最近の縮小規模という2種類の基準に基づいている。

 最も危機的状況にある地域は、エチオピア、タンザニア中部、コンゴ民主共和国南部、西アフリカの森林地帯などだった。

 今回用いた手法は、評価結果が早く出ることから「多数の種を対象としたレッドリストの評価プロセスの手始めとして用いることができる費用対効果の高い方法だ」と研究チームらは論文で説明している。(c)AFP