【4月11日 AFP】新型コロナウイルスのワクチンが開発されなければ、これからはスポーツ観戦に行くことをためらうと米国人の大半が考えていることが、同国シートンホール大学(Seton Hall University)の調査で明らかになった。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機が発生して以降、北米のメジャースポーツは約1か月前から活動停止状態に追い込まれており、すでに各プロリーグはシーズン再開の方法やその時期について検討している。しかし、同大学の調査結果によると、ワクチンが開発されていなければ、スタジアムで再び観戦することについて米国人の間には深い懸念があることが判明した。

 4月6日から8日にかけて762人を対象にして行われた調査によると、ワクチンがなければスポーツ観戦に行くのは安全ではないと考えている人が72パーセントに上っている。また、調査対象をスポーツファンに限っても、61パーセントが不安を感じていることが明らかになった。

 一方、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)が義務付けられていれば安全との回答は12パーセントとなり、そういった対策やワクチンなしでも安全と答えたのは13パーセントにとどまった。

 2020年いっぱいはすべてのスポーツを中止するべきとの回答者が40パーセントいた一方で、競技が再開された場合は無観客で中継すればこれまでと同様の関心を持つと答えた人は76パーセントに上った。また、今年予定されていた東京五輪を1年延期した国際オリンピック委員会(IOC)の決断について、84パーセントが支持している。

 米国は新型コロナウイルスの症例が世界で最も多く、これまでに感染者は49万人以上となり、死亡者は1万8500人を超えている。

 同国のスポーツではプロバスケットボール(NBA)、アイスホッケーリーグ(NHL)、メジャーリーグサッカー(MLS)が3月中旬にシーズンがすべて中断となり、大リーグ(MLB)も2020年シーズンの開幕が延期となった。

 さらに、ゴルフやテニスに加え、格闘技やモータースポーツも、新型コロナウイルスの影響で活動停止状態となっている。(c)AFP