【4月9日 AFP】ロシアと米国の宇宙飛行士計3人を乗せた宇宙船が9日、カザフスタンにあるロシアのバイコヌール宇宙基地(Baikonur Cosmodrome)から国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられ、新型コロナウイルス感染拡大が続く地球を後にした。

 日本時間9日午後5時5分に打ち上げられた宇宙船には、ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモス(Roscosmos)のアナトリー・イワニシン(Anatoly Ivanishin)飛行士、イワン・ワグナー(Ivan Vagner)飛行士と、米航空宇宙局(NASA)のクリス・キャシディ(Chris Cassidy)飛行士が搭乗している。

 NASA TVは、同機は無事軌道に入ったと伝えた。ISSには、日本時間同日午後11時15分にISSに到着する予定。

 新型ウイルス感染症の影響で、バイコヌール宇宙基地では宇宙船打ち上げ前の計画変更を余儀なくされていた。

 通常、出発前の飛行士らは大勢の報道陣から質問を受け、家族や友人に見送られるが、今回はウイルス対策による渡航制限のため記者も家族らも不在だった。

 飛行士らは普通の場合でも、宇宙飛行の前には一定期間隔離され、バイコヌール宇宙基地での最後の記者会見も、感染症予防のためガラス越しに行われる。

 しかし今回の隔離措置は、通常よりも早く先月始まっていた。慣例となっている出発前の儀式や、ロシア首都モスクワへの訪問も中止された。

 キャシディ飛行士は、ISSへの出発に家族が立ち会えなかったことは自身を含む乗組員全員に影響を及ぼしていると認めた一方で、「世界全体が同じ危機の影響を受けているのだから理解する」と述べた。(c)AFP/Christopher RICKLETON