【4月8日 CNS】中国・湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)は8日午前0時、市外に出るルートの管制措置を解除し、対外交通を回復した。市外に出る人は、湖北省が発行する「健康コード(訳注:政府が発行した健康を証明するQRコード)」を提示すれば移動できることとなった。1000万人以上の人口を有する武漢市が、新型コロナウイルス対策のために行った76日間におよぶ「封鎖」は、ついに「解除」された。

【動画】中国・武漢の「都市封鎖」、正式解除

 武漢市は、新型コロナウイルス感染のまん延と拡散を阻止するため、1月23日午前10時より市バス、地下鉄、フェリー、長距離バスの運行を停止し、空港と鉄道駅構内の市内を離れる施設を閉鎖した。この後、市内では、中心区域の車両通行禁止、全ての居住区に対する封鎖的管理措置などを相次ぎ実施し、感染症対策としての防護網を余すところなく展開していた。

 武漢市は、中央政府と湖北省の関連規定に基づき、感染状況の好転に伴い、一歩一歩、封鎖解除への準備を進めてきた。現時点で、同市第三環状線内の揚子江大橋検査所はすべて撤去され、大部分の店舗やスーパーは徐々に営業を始めており、一部の市バスと6本の地下鉄路線は運行再開し、鉄道駅の到着業務も再開している。

 8日午前0時24分、西安発広州行きの列車K81次が武昌駅に停車、武漢が封鎖解除後初めて武漢駅で停車し到着旅客業務を行う列車となった。これに先立ち、前日の午後10時過ぎには、駅構内には数十人のマスク姿の旅客が荷物を携え、早々と待合室に入り乗車の準備をしていた。これまで閉鎖されていた乗車券売り場と到着旅客通路は開かれ、駅の職員が到着口に「警戒ライン」を引き、構内放送で旅客に対して自発的に「健康コード」を提示すること、体温測定に協力すること、人と人の距離を空ける事などを呼びかけていた。

「中国鉄路(China Railway)」の責任者によると、8日は全部で276本の旅客列車が武漢から上海、深セン(Shenzhen)、成都(Chengdu)などに向けて運行されるとのことだ。

 武漢市感染症対策指揮部の胡曙光(Hu Shuguang)副指揮長は「新たな感染者ゼロはリスクゼロではない。閉鎖解除は感染症対策解除ではない。市外に出る道の閉鎖を解除しても、武漢市は厳格な居住区出入り管理を引き続き行う。居住区を出入りする全ての人間に対し、身分確認、個人情報登録、体温測定、マスク着用を求める。同時に、不要不急の外出をしないで感染リスクを回避するよう導いていく」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News