【4月6日 AFP】自転車ロードレース、ツール・デ・フランドル(Tour des Flandres 2020)が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって延期になる中、そのバーチャル版が5日に行われ、優勝したCCCチーム(CCC Team)のフレフ・ヴァンアフェルマート(Greg Van Avermaet、ベルギー)は「変な感覚」と振り返った。

 ワンデークラシックの五大レース「モニュメント」の一つであるツール・デ・フランドルのラスト32キロが仮想空間に再現され、2016年のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得しているヴァンアフェルマートを含む13人が出場した。

 屋根裏部屋からレースに参加したヴァンアフェルマートは、アージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のオリバー・ナーセン(Oliver Naesen、ベルギー)とチーム・サンウェブ(Team Sunweb)のニコラス・ロッシュ(Nicolas Roche、アイルランド)に20秒差をつけて優勝。スクリーン上に娘の姿が映るという一幕もあった。

 地元出身のヴァンアフェルマートは「変な感覚。レースしているという感じはしないのに苦しんだ」とコメントした。「娘は、なぜ父親が家で必死にレースをしているのかは分からなかったと思うが、私のことをとても喜んでくれたよ」

 サンウェブのマイケル・マシューズ(Michael Matthews、オーストラリア)がリタイアとなった一方、7位でフィニッシュしたロット・ソウダル(Lotto Soudal)のティム・ウェレンス(Tim Wellens、ベルギー)は、モナコにある自宅のバルコニーから出場した。

 ウェレンスはレース後、「風の効果も再現された。その結果、後方の選手よりも、前方のライダーにとっては厳しくなった」「ベルギーの地下室でペダルをこいでいたオリバー・ナーセンよりも視界良好だったのは間違いないね」と語った。

 これに先駆け、主催者はツール・デ・フランドルをシーズンの後半に開催する可能性を明かしている。

 バーチャル版レースを制したヴァンアフェルマートは、ツール・デ・フランドルが開催されれば喜ばしく、2014年と2017年に記録した2位よりも一つ上の成績を目指したいと語った。

「本物のツール・デ・フランドルが秋に行われ、しっかりと優勝できることを願っている」

 ユーチューブ(YouTube)での生配信は2万1000人以上が視聴し、ベルギーのテレビ局でも放送された。

 今年は6月上旬に予定されているツール・ド・スイス(84th Tour de Suisse)でも、バーチャル版レースを行うことが検討されている。(c)AFP