【4月6日 AFP】サッカー元イングランド代表キャプテンのウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)は、新型コロナウイルスの影響で選手が犠牲を払うことを求められる中、英政府とプレミアリーグは選手たちを「八方ふさがりの状況」に追いやったと批判した。

 チャンピオンシップリーグ(2部)のダービー・カウンティ(Derby County)でプレーするルーニーは、英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)に熱のこもったコラムを寄せ、今回のパンデミック(世界的な大流行)に対するさまざまな反応の中で、選手たちは「格好の標的」になっていると記した。

 この寄稿に先駆け、イングランド・プロサッカー選手協会(PFA)は、提案された給与の30パーセント削減は税収を直撃するため、国民保健サービス(NHS)に影響を与えるかもしれないと明かした。

 ルーニーは金銭面で協力する手段と意思があり、それは減給かNHSへの直接的な寄付のどちらかになるとした上で、選手に対する世間からのプレッシャーは無益なものだと感じていると述べた。

 ルーニーは「もし政府が私に対し、経済面で看護師をサポートしたり、人工呼吸器を購入したりするのに協力する話を持ちかけてきたら、お金の流れが分かる限り、そうすることは光栄だ」と記した。

「私は何かを諦められる立ち位置にいる。すべての選手が同じ立場にいるわけではないのに、すべてのプロ選手が30パーセント一律の減給を要求され困惑した。なぜサッカー選手が突然スケープゴートになる?」

「ここ数日で繰り広げられてきたことは、どれほど恥ずべきことか」

 ルーニーはさらに、選手を含めた水面下での話し合いの場で、全面的な減給を提案するプレミアリーグを疑問視した。

「いまは八方ふさがりの状況というのが個人的な意見」「たとえどのように見たとしても、われわれは格好の標的だ」

 また、プレミアリーグがNHSに寄付した2000万ポンド(約26億円)は、クラブが減給によって確保するであろう額と比べれば「大海の一滴」だと述べ、なぜ他競技のスター選手には同様の注目が集まらないのかと疑問を呈した。(c)AFP