【4月5日 AFP】イングランド・プロサッカー選手協会(PFA)は4日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が起こる中、経済への影響を緩和するための減給をプレミアリーグの選手が受け入れないとの批判が集まっていることに対して、政府にとっても大幅な税収減になると反論した。

 この日、プレミアリーグとの会合を終えたPFAは、「リーグの全選手が、この未曽有の時期に大きな経済的貢献を果たしたいと思っている」「本日、プレミアリーグと協議する機会を持てたことを歓迎するし、今後も喜んで話し合いを続ける」と発表した。

 その一方で、大金持ちの選手が減給をなかなか受け入れずにいるという批判は安直すぎると強調し、「提案された12か月間の給与30パーセント削減は、額にして5億ポンド(約666億円)に上り、政府の税収は2億ポンド(約266億円)以上も減少する」「こうした歳入の減少が、国民保健サービス(NHS)にどれほどの影響を及ぼすだろうか」とも話した。

 新型ウイルスへの対応の点で、プレミアリーグは他の欧州各国リーグに後れを取っているとみられており、ある議員はプレミアが「モラルの空白」の中で運営されていると批判した。

 スペイン1部リーグでは、FCバルセロナ(FC Barcelona)とアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)の選手が70パーセントの減給を受け入れ、イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)も、4か月間の減給を決めている。

 しかし、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)からニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)へ期限付き移籍中のダニー・ローズ(Danny Rose)は、英BBCに対して、選手たちも「ぜひ何かしたいと思っている」と明かしている。

 実際3日には、英ロンドンの病院に1万9000ポンド(約253万円)を寄付した人物がローズだと判明している。

 また、マット・ハンコック(Matt Hancock)保健・社会福祉相は減給を受け入れるべきだとサッカー選手を名指しで批判したが、その前の時点で、プレミア各クラブの主将はリバプール(Liverpool FC)のジョーダン・ヘンダーソン(Jordan Henderson)を中心に、今後取るべき行動を話し合っている。

 ローズは「サッカーに関わっていない人間が、選手が稼いだお金をどうするべきか選手に指示するなんて、不要なことだ」「すごくおかしな話だと思う」と語っている。(c)AFP