【4月5日 AFP】イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)は4日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により活動が止まっている状況を受けて、一部のクラブ職員を一時帰休とすることを決めた。この制度を利用するのはプレミアでは5クラブ目で、OBはこの決定を猛批判している。

 プレミアリーグで首位に立ち、2月には18-19シーズンの経常利益が4200万ポンド(約56億円)になると発表したリバプールだが、影響を受けた職員が以前と同じ給料を受け取れるようにするため、政府の資金援助に頼ることを決めた。

 英政府が導入した一時帰休の制度の下では、対象職員の賃金80パーセントを政府が支払う。プレミアリーグのクラブでは、他にニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)、ボーンマス(AFC Bournemouth)、ノリッジ・シティ(Norwich City)が制度の利用を決めている。

 この決定と並行して、プレミアの各クラブは選手や監督らの代表者と面会し、トップチームのスタッフの減給に向けた話し合いを行った。

 しかし、かつてリバプールでプレーしたジェイミー・キャラガー(Jamie Carragher)氏やスタン・コリーモア(Stan Collymore)氏は、クラブの決定を批判している。

 キャラガー氏はツイッター(Twitter)で、「ユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は、今回のパンデミックが始まった際、すべてのスタッフへの思いやりを示し、トップチームの選手は減給の話に深く関わっている。ところがそこで、そうした敬意や善意がすべて失われた。残念なクラブだ」と話した。

 コリーモア氏はさらに率直に、「どんな立場のリバプールファンにとっても、スタッフの一時帰休ほど気分が悪くなることはない」とツイッターに投稿している。

 リバプールは、スタッフには100パーセントの賃金を支払い、誰にも経済的な負担はかけないと発表している。サポーターグループも、すべての職員が給与を全額受け取るための措置だと決定を好意的に受け止めている。

 リバプールは今季のプレミアリーグで2位マンチェスター・シティ(Manchester City)に勝ち点25差をつけて首位を独走し、1990年以来のリーグ優勝が目前に迫っていたが、リーグは「安全で適切」な状況になった場合のみ、シーズンを再開すると発表している。(c)AFP