【4月6日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で最も大きな被害が出ているイタリアとスペインでは5日、1日の死者の数で明るい兆候が見られた。一方、米国では、同国の感染拡大の中心地であるニューヨーク州だけで死者が4100人を超えた。

 イタリアでは過去24時間の死者が525人となり、1日の死者数としては3月19日以降で最少となった。同国ではすでに、ウイルスにより第2次世界大戦(World War II)以降最多の犠牲者が出ているが、変化の兆しを示す可能性がある。イタリア国家市民保護局(DPC)のアンジェロ・ボレッリ(Angelo Borrelli)局長は「これは良いニュースだが、警戒を緩めてはならない」と語った。

 スペイン当局の発表によると、同国の5日の死者数は674人で、1日の死者数は3日連続で減少。フランスでは5日の死者数が357人となり、1日の死者数は1週間ぶりの少なさとなった。

 一方、確認された感染者数が30万人を超え世界最多となっている米国では、過去24時間の死者数が感染拡大の中心地であるニューヨーク州だけで4100人を超えた。米国では、今週が厳しい一週間になるとの見方から準備が進められている。

 新型コロナウイルス感染の急速な拡大により、わずか3か月で6万5000人余りが死亡、現在、世界の人口の約半分が外出制限を強いられている。これにより数十億人の生活が激変し、世界経済を景気後退に陥らせている。(c)AFP/Dmitry Zaks with Phil Hazlewood in London and AFP bureaus