【4月3日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)の五輪統括部長を務めるクリストフ・ドゥビ(Christophe Dubi)氏は2日、東京五輪が2021年に延期されたことで発生する追加費用について、同委員会や関係団体も覚悟することになるとの見解を示した。

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 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の中で、東京五輪は今週、開催日程を12か月遅らせるという歴史的決断が下された。五輪が延期になるのは、平時においては初めての出来事となった。

 最近の試算によると、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)をはじめ、日本政府と東京都が分担する開催費は126億ドル(約1兆3550億円)に上るとみられている。延期はあらゆる方面に影響を及ぼしており、中でも選手村、宿泊施設、観戦チケット、会場、そして交通手段などが最も大きな頭痛の種となっている。

 ドゥビ氏は電話会見で、「認識されているのは、東京五輪の組織委員会側が負担する分の追加費用、そしてIOCと五輪ファミリーが負担する分の追加費用があるということだ」「われわれは、これらについて精査していくことになる。かなりの額の予算を見直していく必要がある」と述べた。

 一方、アスリートに関する質問が出た際には、IOCのスポーツディレクターを務めるキット・マコーネル(Kit McConnell)氏が、23歳以下の年齢制限がありオーバーエージ枠は3人だけとなっているサッカーについて、現在23歳以下で2020年東京五輪の出場資格を持ちながら、来年は24歳になる選手に関しては何も決まっていないと話した。

 マコーネル氏は、すでに2020年東京五輪の出場権を獲得した選手は2021年大会の資格を保持できるとする一方で、それは必ずしも確約される必要はなく、出場選手は各国の代表チームに選ばれることが条件になるとも補足した。合計1万1300人の出場枠で、すでに出場権を獲得している選手は57パーセントとなっている。

 また、マラソンと競歩については、2020年大会で予定されていた通り2021年大会も札幌で行われることになるという。(c)AFP