【4月2日 AFP】2016年リオデジャネイロ五輪の体操女子で4冠を成し遂げたシモーネ・バイルス(Simone Biles、米国)は1日、東京五輪が2021年まで延期された影響について、大会まであと1年待つ精神的な負担が大きいと話した。

 先月23歳になったバイルスは、五輪の放映権を持つ米テレビ局NBCの番組「トゥデイ(Today)」に出演し、コーチ陣の力でトップコンディションは維持できるとの見方を示す一方、予定より1年遅れの来年7月までメンタルを保つのは困難だと語った。

「肉体面ではコーチが良い状態にしてくれると疑っていない」と話したバイルスは、「だけどもう1年続くという精神的な負担は、私だけでなくほとんどのアスリートにとって大きいと思う」と続けた。「身体面と同じように精神面でも良い状態をキープしなければならない。体と心に耳を傾けることが重要」

 また、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)で東京五輪を最後に引退する意向を示したバイルスは、来年の五輪に「臨機応変に」対応していると話した。

 リオ五輪では個人総合、跳馬、ゆか、団体総合で金メダルに輝いたバイルスは、2013年以降の世界選手権では個人総合の5個を含め計19個の金メダルを獲得。リオ五輪後に18か月の休暇を取り、6歳から始まった競技人生の集大成となる東京五輪に向けてトップコンディションを取り戻していた。

 しかし新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により東京五輪は1年延期に。バイルスはその知らせを練習中に電話で聞いたという。「どう受け止めればいいか全く分からなかった。ただ座って泣いた。でも結局は正しい決定だった」「米国、そして世界中の人たちが健康で安全であることを確かにする必要がある。厳しかったけど大丈夫」 (c)AFP