【4月2日 AFP】メキシコ南東部タバスコ(Tabasco)州にある移民収容施設で、新型コロナウイルスへの恐れから暴動が起き、グアテマラ人の移民1人が死亡、20人以上が負傷した。当局関係者が1日、明らかにした。

 ホンジュラス人を中心とした移民約95人は3月31日の夜、施設の状態に対して抗議活動を行い、施設からの解放あるいは母国への送還を要求した。

 抗議活動が暴力を伴い、寝具には火が付けられると、複数の人が煙を吸い込んで負傷した。警察によると、入国管理局の職員1人も負傷したという。

「メソアメリカン移民運動(MMM)」の活動家ルベン・フィゲロア(Ruben Figueroa)氏はAFPに対し、グアテマラ人移民1人が暴動で死亡したと述べた。

 メキシコ入国管理当局は今回の暴動について情報を公開していない。

 2018~19年に中米からの複数の移民集団(キャラバン)が、米南部国境を目指した。これを受けてドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はメキシコ政府に対し、移民流入を阻止する措置を講じなければ経済制裁を科すと警告。メキシコは中米移民を厳しく取り締まった。

 貧困と暴力から逃れてきたホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドル出身の大勢の移民が警察に取り押さえられ、メキシコ国内の施設に収容されている。しかし、メキシコ南部と国境を接するグアテマラが、新型コロナウイルス対策で先月16日に国境を封鎖。これにより移民の本国送還は一時中断されている。(c)AFP