【3月25日 AFP】インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は24日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)拡大を受け、国民13億人を21日間にわたり「完全封鎖」下に置くと表明した。これにより、世界人口の3人に1人余りが新型ウイルスの流行による外出制限を受けている状態となった。

 世界第2位の人口を誇るインド国民に向けたテレビ演説の中で、モディ氏は「きょうの午前0時(日本時間25日午前3時30分)から、国内全土は封鎖、完全封鎖下に置かれる」と表明。「インドとその国民全員、あなたとあなたの家族を救うため(中略)すべての道路、すべての地域が封鎖下に置かれる」と語った。

 インドの新型コロナウイルスの感染者数は当初、他国と比べると少なかったものの、ここ数日間で急増。政府の集計によると感染者は519人、死者は10人となっている。

 AFPの集計によれば、インドでの新措置開始をもって、世界の26億人以上が封鎖下に置かれることになる。これは国連(UN)の推計による2020年の世界人口78億人の3分の1超に相当する。

 これまでに封鎖命令が出されたのは少なくとも42か国・地域で、英国、フランス、イタリア、スペイン、コロンビア、米カリフォルニア州、ネパール、イラク、マダガスカルなどが含まれる。ただ、このうちの多くの地域では、出勤、食料品などの必需品の買い出し、医療機関の受診を目的とする外出は引き続き認められている。(c)AFP