【3月24日 CNS】中国・陝西省(Shaanxi)西安市(Xi’an)の秦嶺ジャイアントパンダ繁殖研究センターは23日、同センターの雌パンダ「安安(An An)」が上旬に発情し、研究者らの密接な観察の下、複数回のペアリングを行った結果、17日に雄パンダの「二郎(Er Lang)」と「七仔(Qi Zai)」がいずれも初めての自然交配に成功したことを明らかにした。

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 センターによると、人工飼育の条件下で自然繁殖ができる雄パンダは少なく、自然繁殖は人工繁殖に比べ受胎率が高く、自然繁殖ができるパンダの種雄(しゅゆう)を育てることはパンダの人工種群の繁殖にとって非常に重要な意義のあることとされている。

 2019年より、センターの研究者らは、雄パンダの栄養調整、身体能力訓練と繁殖施設の改造に着手すると共に、パンダの繁殖季節に雄雌パンダの情報交流と居住場所の交換を強化し、生殖ホルモンの観測を通して雌パンダの発情変化のすう勢を把握し、野生パンダの繁殖特性をまねてペアリングを実施してきた。

 パンダ「二郎」と「七仔」はいずれも純種の秦嶺パンダで、極めて高い遺伝価値を有しており、茶色パンダ「七仔」の遺伝子はさらに独特さがあるとされる。2頭のパンダの自然繁殖成功は、陝西省の種パンダ飼育の新たな前進を表し、秦嶺パンダの人工飼育の発展を表している。

 2020年にセンターで繁殖に加わるパンダは雌10頭、雄5頭で、現時点で雌2頭の繁殖が完了したことになる。(c)CNS/JCM/AFPBB News