コロナ治療で「神からの贈り物」とトランプ氏、医師ら慎重の抗マラリア薬
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【3月24日 AFP】新型コロナウイルスの治療薬として研究段階にあるものの効果が実証されていないため、医師らが慎重な姿勢を示している抗マラリア薬について、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は23日、新型ウイルス治療における「神からの贈り物」だと発言した。
トランプ氏は先週、新型コロナウイルスの治療薬として抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンとクロロキンが使用できるよう、米当局が迅速承認を進めていると発表した。これらの薬は現在、中国とフランスで新型ウイルスの治療に試験的に使用され有望視されているが、専門家らはさらに大規模な臨床試験が必要だとして慎重だ。
しかし、ホワイトハウス(White House)で会見したトランプ氏はそんな慎重さは全く見せず、「ヒドロキシクロロキンとZパック(Z-Pak、抗菌薬のアジスロマイシン)の組み合わせは非常に、非常に、良いと思う」と発言。
さらにトランプ氏は、この薬を使用して回復した患者の事例を引き合いに出し、「非常に大きな効果がある可能性が大だ。これは神からの贈り物だろう。もし効けば、事態をがらりと変えることになる」と述べた。
しかし科学界の一部からは、この薬をトランプ氏が過大評価し過ぎであり、またそのように喧伝(けんでん)することで、狼瘡(ろうそう)やリウマチ性関節炎など使用が正式に認可されている疾患の患者に行き渡らなくなる恐れがあると批判の声が上がっている。
一方、ニューヨークでは24日、新型ウイルスに感染した患者にヒドロキシクロロキンと二次細菌感染の治療に使用されるアジスロマイシンを組み合わせた治療の臨床試験が始まる予定だ。
米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の集計によると、米国での新型コロナウイルス感染者は4万人を超え、死者は500人に上っている。(c)AFP