【3月23日 AFP】サッカーイタリア・セリエA、ブレシア(Brescia Calcio)のマッシモ・チェッリーノ(Massimo Cellino)会長は、「疫病」の新型コロナウイルス感染のため、今シーズンを中止するときだと述べた。

 セリエAで下位に沈むチームは、5月の論理上のシーズン終わりまでに試合が行われた場合、降格する運命にある。

 中国を発端とする新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に伴い、サッカーに熱狂的なイタリアでは3月9日を最後に試合が行われていない。

 人口約6000万人の同国は現在封鎖されており、この措置はさらに数週間続くとみられている。学校は夏が終わるまで再開されないとみられており、店舗は数週間も閉店したままとなる。政府は21日夜、大型の工場に対して操業停止を要請した。

 しかし、タイトルを望むイタリアのクラブの中には、無観客での試合開催に備えて練習の再開を検討しているチームもある。

 この考えは、伝えることがなくなった同国スポーツメディア市場に当然興味を与え、議論を呼び起こした。

 こうした中でチェッリーノ会長は、5000人近い死者が出ている国難の中で試合を行うことを考えている人に対し、命を救うことを重視するべきだと無遠慮に話した。

 63歳のチェッリーノ会長は、国内スポーツ紙コリエレ・デロ・スポルト(Corriere dello Sport)のインタビューで「人命第一だ、ちくしょう」と答えた。

「すべてを来シーズンに移されなければならない。諸君、現実的になるときだ。これは疫病だ」

 ブレシアは北部ロンバルディア(Lombardy)州を構成する都市の一つで、最も深刻な状況となっているミラノ(Milan)の近くに位置する。同州における死者数は21日に3000人を超えた。(c)AFP/Dmitry ZAKS