【3月19日 AFP】国際会計事務所KPMGは18日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で今季の残り全試合が中止された場合、サッカー欧州五大リーグは合計40億ユーロ(約4715億円)程度の収益を失うと試算した。

 世界最大級の会計事務所の一つであるKPMGは、イングランド・プレミアリーグ、スペイン1部リーグ、ドイツ・ブンデスリーガ1部、イタリア・セリエA、フランス・リーグ1の残りの日程で発生する試合収入、放映権料、広告収入は合計で34億5000万ユーロ(約4060億円)から40億ユーロであると発表した。

 損失が最も大きいのはプレミアリーグで、シーズンが中止となれば、その額は12億5000万ユーロ(約1470億円)にまで上り、放映権料だけで8億ユーロ(約940億円)に達するという。

 プレミアリーグは、チーム数が18と最も少ないブンデスリーガ1部を除く他のリーグより残り試合数が最も少ないものの、失う放映権料の額は最多で、「ビッグファイブ」と呼ばれるリーグのクラブが放映料に大きく依存していたことが浮き彫りとなった。

 シーズン全休となった場合に失われる放映権料は、スペイン1部リーグで約6億ユーロ(約707億円)、セリエAで最大4億5000万ユーロ(約530億円)、ブンデスリーガ1部で4億ユーロ(約472億円)、リーグ1で2億ユーロ(約236億円)と伝えられている。

 世界で数千人の命を奪うなど猛威を振るうCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の中心地は、発生地の中国から欧州へと移行しており、欧州中でサッカーのリーグ戦は中断されている。

 17日に欧州選手権(UEFA Euro 2020)が1年延期と発表されたことを受け、各国リーグや欧州カップ戦が終了する可能性は高いものとみられているが、各リーグは最低でも4月上旬まで判断を先送りにするという。

 欧州サッカー連盟(UEFA)は6月30日までに各クラブのシーズンが終了させるように求めているが、ウイルス拡大の速度が緩まなかった場合はその見直しが必要となる可能性がある。(c)AFP