【3月20日 AFP】新型コロナウイルスの流行について警鐘を鳴らし、警察から訓戒処分を受けた中国の李文亮(Li Wenliang)医師(34)について、中国政府の調査チームは19日、国内の流行の中心地である武漢(Wuhan)警察の対応は「不当」だったとする報告書を発表した。

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 李医師は昨年12月、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスに似たウイルスが武漢市内で広がっているとソーシャルメディアに投稿した医師の一人。このため警察から訓戒処分を受け、今後は「違法行為」をしないとする合意書への署名を強制された。

 今年2月に李医師が新型コロナウイルスで死亡すると、国民からは悲しみと政府の危機対応への怒り、言論の自由に対する強い要求が湧き起こった。

 政府の調査結果の発表を受けて警察は謝罪したが、中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」には、不十分であり、遅すぎるといった批判が新たに寄せられた。

 国営中国中央テレビ(CCTV)が19日に報じたところによると、李医師の死後に開始された政府の調査で、武漢の警察が「訓戒書を出したのは不当」であり、「法執行手続きが規範に従っていない」とされた。

 調査チームは、武漢当局が「問題を監督し、是正する」ことを「提言」。武漢警察に対し、李医師への訓戒処分を撤回するよう求めた。

 これを受けて武漢警察は声明を発表。訓戒処分は「誤り」で、撤回するとし、「この誤りについて(李医師の)家族に謝罪する」と述べた。(c)AFP