【3月19日 AFP】新型コロナウイルスの影響によりイタリア全土で封鎖措置が敷かれる中、水の都として世界的に知られる同国のベネチア(Venice)では、観光客の出すごみがなくなり水上交通量もほぼ皆無となって、きれいに澄んだ運河の水が住民の目を楽しませている。

 ベネチアは3月9日以降、他の国内各都市と同様にいわゆる「危険区域」とされた。ホテルや飲食店、大半の会社は閉鎖され、住民は自宅にとどまり移動を控えるよう命じられている。

 ベネチアの運河の水は通常、底にたまった泥がモーターボートで巻き上げられたり、観光客の捨てたポリ袋やごみが浮かんでいたりと汚染された状態だが、移動制限により劇的な効果が出ている。

 この喜ばしい変化を捉えた画像は、フェイスブック(Facebook)上のグループ「ベネチア・ピュリタ(Venezia Pulita、きれいなベネチアの意)」のページに最初に投稿された。住民らは、普段は濁っている水の中で泳ぐ小さな魚、ボートの行き来が途絶えた運河を楽しむ鵜(う)、シラサギなどの鳥を捉えた画像を共有している。

 イタリア人のモニカ・ラローサ(Monica La Rosa)さんは同サイト上に「自宅にとどまろう。そうすれば自然はあなたに感謝する」とコメントした。(c)AFP