【3月30日 CNS】新型コロナウイルスの感染拡大は航空輸送業に深刻な打撃を与え、一部の航空会社は経営困難に陥りつつある。業界では、感染が5月まで続いた場合、中国の航空輸送業の損失は1000億元(約1兆5300億円)に達するとの見方がある。

 旅行プラットフォーム大手「飛豚(Fliggy)」によると、「感染拡大の影響を受け、大量の航空券がキャンセル処理待ちとなっている」という。今や、航空券のキャンセル処理の仕事がメインの業務となっている。

 感染症対策を着実に行うため、中国民用航空局は3回にわたり航空券の無料キャンセル措置を講じ、2020年1月28日午前0時までに購入されたものについて、搭乗日がこの日付以降、離陸時間の前までにキャンセルした場合、各航空会社と販売代理店は、航空券の有効期間内に無料でキャンセル処理を行い、いかなる手数料も請求してはならないと定めた。

 中国民用航空局の熊傑(Xiong Jie)報道官は、新型ウイルスは中国の民間航空輸送業に巨大な衝撃を与えていると話す。

 中国航空輸送協会のデータによると、2日の時点で、国内外の航空会社がキャンセルを受理した航空券は2454万5000枚、総額271億元(約4140億円)に上る。この期間中に航空公司が無料としたキャンセル手数料だけで数十億元となる。

■「コスト」と「売り上げ」 二重の打撃

 中国民用航空局によると、今年の2月の民間航空輸送の総取扱量は前年同期比で73.9%減、旅客輸送量は同84.5%減に達する。

 現在、中国国内の航空会社が取り消したフライトは数万便に上る。民間航空の専門家によると、民間航空会社、特に「中国国際航空(Air China)」「南方航空(China Southern Airlines)」「中国東方航空(China Eastern Airlines)」などは、感染症対策期間中は防疫物資の輸送に協力し、現在では企業の経営再開を後押ししており、この間はずっと赤字経営が続いているという。

 中国民航管理幹部学院(Civil Aviation Management Institute)の邱連中(Qiu Lianzhong)教授によると、少なめの試算で、中国の民間航空の2月の損失は370億元(約5650億円)、3月は350億元(約5350億円)となる見通し。(c)CNS/JCM/AFPBB News