【3月8日 CNS】中国の航空券価格は毎年、春節(旧正月、Lunar New Year)を過ぎると6割から7割も値引きした大安売り価格となるが、今年は新型コロナウイルスの影響で、昨年の同じ時期よりさらに安い「98%引き」まで登場している。

 オンライン旅行サービスアプリの「去哪儿旅行(Qunar)」「携程(シートリップ、Ctrip)」などで検索すると、3月の多くの路線の付加費用(燃料サーチャージなど)を除いたチケットの最低価格は100元(約1500円)未満となり、特に重慶(Chongqing)行きが安く、最低価格は30元(約460円)だ。

 この他、3月の北京や上海などの都市から出発する便では、9割引きのディスカウントが見られる。例えば山東航空(Shandong Airline)の北京から昆明(Kunming)行きの最低価格は259元(約4000円)だが、これはエコノミークラスの正規料金の9割引き価格だ。

 政府は6日、航空業界の目前の経営圧力を考慮し、航空会社が納める「民航発展基金」の徴収免除を発表した。シティバンク(Citibank)の分析報告では、もし徴収免除が半年間続けば、中国国際航空(Air China)、中国東方航空(China Eastern Airlines)、南方航空(China Southern Airlines)の3社で、それぞれ5億7000万元(約86億7500万元)、5億8500万元(約90億円)、7億5000万元(約114億円)の資金節約になるという。

 2月以来、安徽省(Anhui)の黄山(Huangshan)、杭州市(Hangzhou)の西湖などの観光地が次々に再開されている。加えて航空券が大特価で、多くの人が「ウイルス感染が収まったら旅行に出掛けたい」と言っている。

 地方出身の北京で暮らす女性、王香玉(Wang Xiangyu)さんは、ウイルス感染の流行が収まったら旅に出るつもりでいる。王さんは感染拡大のせいで、春節の時期に故郷に帰らず、北京で年を越した。「まず故郷に帰って家族の様子を見たいです。でも感染騒ぎが収まったら航空券が今のように安いかどうか分からないけれど」と話す。

 専門家は「最近、航空運賃が安いのは、企業の正常な操業再開のための従業員の職場復帰を保障するのが主な理由だ。旅行が減っているせいもある」と航空券安値の背景を説明する。(c)CNS/JCM/AFPBB News