【3月17日 AFP】オーストラリア最大のスーパーマーケットチェーン、ウールワース・スーパーマーケッツ(Woolworths Supermarkets)は17日、高齢者と障害者のみが1時間早く入店できるサービスを開始した。同国では、新型コロナウイルスの影響で店舗の棚が空になり、長い行列ができているとされ、一部の地域では引き続きパニック買いも見られた。

 食料品の買い込みが目立ったことを受け、ウールワースは高齢者や障害者がトイレットペーパーなどの生活必需品を購入できるよう、1時間の限定開店を実施。トイレットペーパーは何度も売り切れ、暴力沙汰になった事例もある。

 同日にはサービスの導入に伴い、シドニーやメルボルンの複数の店舗前に長い列ができ、何も買えないまま帰った客もいたとされる。

 客からの賛否は分かれている。開店を待っていた71歳の男性は「大事なことだが、最善策とは思わない。93歳の人が買い物に来ているのを見たら、最善策は宅配だと思う」と話した。また別の客は、ウイルスが容易に拡散しかねないとして、高齢者を一か所に集めることへの不安を口にした。

 一方、混雑を避けるため早い時間に来店した高齢者らは和やかな雰囲気だったとして、サービスを歓迎する声もあった。

 同チェーンの責任者は、サービス初日であり、「全店舗で万事順調だったわけではないことは認識している」としながらも、この日の教訓を生かし、今週いっぱいは早朝の限定開店を継続する方針を発表した。(c)AFP