【3月6日 AFP】国連(UN)は5日、性別にかかわらず世界の人の約90%が、女性に対して何らかの偏見を抱いているという調査結果を発表した。調査は8日の「国際女性デー(International Women's Day)」に先立ち行われた。

【関連記事】女性スター選手らのバービー人形登場 国際女性デー前に

 国連開発計画(UNDP)が世界人口の80%を占める75か国で女性たち自身を含めて調査を行った結果、10人中9人が女性に対する偏見や先入観を持っていると回答した。

 そうした偏見には、「男性の方が女性よりも政治家や経営者に向いている」「大学に行くことは女性よりも男性にとって重要だ」「競争率の高い求人市場では男性が有利な扱いを受けるべきだ」といった考えが含まれている。

 性差別的な偏見を少なくとも一つは持っていると答えた人の割合が最も多かったのは、パキスタンで99.81%、続くカタールとナイジェリアが99.73%だった。

 一方、同じ質問で性差別的な偏見を持つ人が最も少なかったのは、フランスとスペインに挟まれた内陸の小国アンドラで27.01%、続いてスウェーデンが30.01%、オランダが39.75%だった。またフランス、英国、米国は、それぞれ56%、54.6%、57.31%と同程度だった。

 UNDPは「この数十年間、男女間の不平等解消に向けて進歩が見られた」にもかかわらず、「女性が平等を達成しようとする際には、目に見えないガラスの天井に直面するという事実」があり、「これを理解するためにこの調査結果が新たな手掛かりになる」と指摘した。

 UNDPのアヒム・シュタイナー(Achim Steiner)総裁は、「健康や教育の分野における男女格差をなくそうという取り組みには大きな効果が見られている。今後は本当の意味での平等を達成するために、男女を問わず深く根付いている(女性への)偏見をなくしていくというさらに困難な挑戦が待っている」と述べた。

 UNDPは各国の政府や機関に対し、偏見に基づく信念や習慣を教育を通じて改めるよう呼び掛けた。(c)AFP