【3月4日 AFP】オーストラリア国立大学(Australian National University)は4日、同国初となる、森林火災の発生を予測する「靴箱サイズ」の衛星を開発していると明らかにした。森林の地表を覆う植物と湿度を赤外線探知機で測定し、そのデータを森林火災が発生しやすい場所や火災の抑制が困難な場所を特定する際に役立てたいとしている。

 同大学によると、このテクノロジーは、「非常に可燃性の高いユーカリなどのオーストラリア原産の木や植物に生じた変化を検知することに特に重点を置いている」という。

 衛星の地球低軌道への打ち上げは民間セクターと協力して行う計画で、遠隔調査の専門家であるマルタ・エブラ(Marta Yebra)氏によると、データは消防当局と共有する。

 エブラ氏は、「この赤外線技術とそこから得られるデータは、現時点では利用できないが、将来的には目標を絞って行う野焼きに役立てることで、森林火災の発生頻度と規模を減らすとともに、国民や経済、環境に及ぼす森林火災の長期的影響を低減できる」と語った。

 衛星の実用化には5年かかる見通しだ。(c)AFP