【3月3日 AFP】(更新)世界保健機関(WHO)は2日、中国国外での直近24時間の新型コロナウイルス新規感染者数が同国内のほぼ9倍になったと発表した。

 公式資料に基づきAFPがまとめた最新の死者・感染者数によると、新型コロナウイルスによる死者数は世界で3000人を超え、感染者数は9万人近くとなっている。

 アンドラとチェコ、インドネシア、ヨルダン、ラトビア、ポルトガル、チュニジア、サウジアラビア、セネガルでも、初の新型コロナウイルス感染者が確認された。

 昨年12月に新型ウイルスが初めて発生した中国では、新規感染者の減少が続いており、1日にWHOに報告された新規感染者数は206人で、1月22日以降で最低となった。一方でWHOの最新集計によると、中国国外でこれまでに確認された感染者数は61か国で計8739人となり、うち127人が死亡した。

 スイス・ジュネーブで記者会見したWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、感染者が確認されている国の中では韓国、イラン、イタリア、日本の状況が現在「われわれの最大の懸念」となっていると述べた。

 イランは2日、新たに12人が死亡し、死者は66人となったと発表した。同国の死者数は中国国外では最多だ。イランでは2日、WHOのウイルス対策支援チームが「1万5000人余りの医療従事者を支援する保護具」を携えて到着した。

 一方、ベルギーの首都ブリュッセルの欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、欧州におけるウイルスのリスク評価を「中から高」に引き上げた。その後、イタリアは同国のウイルスによる死者が18人から52人に増えたと発表した。

 米ニューヨークでは、イランを訪れていたマンハッタン(Manhattan)在住女性が同市初の感染者となった。ニューヨーク州知事は、同市内でさらに感染者が確認されることは「避けられない」と警鐘を鳴らした。(c)AFP