【3月2日 AFP】2020年の世界ロードレース選手権(WGP 2020)シーズン開幕戦に予定されていたカタールGPのMotoGPクラスが、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に中止となることが決まった。1日に国際モーターサイクリズム連盟(FIM)が発表した。

 MotoGPクラスは8日に決勝が行われる予定だったが、FIMは「カタールが(特に)イタリアからの渡航者に影響する入国制限を設けたため、ルサイル・インターナショナル・サーキット(Losail International Circuit)では最高峰クラスのレースは行われない」と発表した。

 一方、Moto2とMoto3クラスは予定通り開催される。カタールは冬の公式テストの舞台でもあり、各ライダーとチームはすでに現地入りしてレースに備えていた。

 新型コロナウイルスの感染が広がる中で、欧州で最も大きな影響を受けているイタリアは、1600人以上が感染し、死者34人を出している。

 FIMは「1日時点で、イタリアからの直行便でドーハに到着する、もしくは過去2週間にイタリアに滞在した経験のある渡航者は、最短で14日間隔離される」「イタリアが選手権とMotoGPクラスのサーキット内外で重要な役割を担っていることは明らかなため、最高峰クラスは中止するという決断を下した」と話している。

 最高峰クラスには、年間優勝7回のバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi)や昨年準優勝のアンドレア・ドビツィオーゾ(Andrea Dovizioso)、アンドレア・イアンノーネ(Andrea Iannone)ら6人のイタリア人ライダーが参戦し、ドゥカティ(Ducati)とアプリリア(Aprilla)というイタリアのトップメーカー2社もチームを持っている。

 選手とチームは2月22日から24日にかけて最後の冬の公式テストをカタールで行っていた。チーム・スズキ・エクスター(Team SUZUKI ECSTAR)の代表者で、イタリア生まれのダビデ・ブリビオ(Davide Brivio)氏は「もちろん、シーズン開幕戦の中止はすごく残念だ。われわれは準備万端だったし、それはファンも同じことだろう」と話した。

「状況の深刻さは分かっていたから、スタッフの一部はテスト後もカタールに残っていた。とはいえ、こういうときに一番大切なのは人々の安全だから、現地当局と大会関係者が下した決断を尊重しなければならない」

 カタールGPが中止になったため、MotoGPクラスは3月22日に決勝が行われるタイGPが新たなシーズン開幕戦になる。(c)AFP