【2月26日 AFP】白人警官は黒人警官よりも銃器を使用する傾向が高く、この傾向は黒人住民が多数を占める地域ではさらに強まるとする研究結果が24日、全米経済研究所(NBER)のウェブサイトに発表された。米国内で人種的少数派がしばしば訴えてきた見解を裏付ける研究結果となっている。

 テキサスA&M大学(Texas A&M University)の経済学者、マーク・フックストラ(Mark Hoekstra)氏とカーリーウィル・スローン(CarlyWill Sloan)氏は、白人警官は非白人警官に比べて緊急事態対応時に「銃を使用する頻度が(平均)2倍」だとする結果を発表した。

 また「白人が多数を占める地域や多様な人種が集まる地域では、白人警官と黒人警官の銃使用頻度は同程度だが、黒人が圧倒的に多い地域では、白人警官は通常の5倍の頻度で銃を使用している」との見解を示した。
 
 研究ではこれらの結果を算出するために、国内の二つの大都市で警官が無作為に現場に派遣された200万件以上の緊急通報を綿密に調査した。都市名は公表されていない。

 フックストラ氏とスローン氏は、2都市の状況が必ずしも米国全体を表すとは限らないが、「警察全般、特に白人警官たち自身がメディアや世論の批判対象になっていることを自覚している時期・状況であっても、人種問題が生じている」ことを立証するには十分だと述べている。また米国の黒人市民のうち24%が地元警察をほとんど信用していないとする結果にも言及した。

 米国内では白人警官による黒人市民の殺害がしばしば大きな非難を巻き起こしており、黒人差別に対抗する抗議運動「Black Lives Matter (黒人の命は大切)」が立ち上がるきっかけにもなった。(c)AFP