武漢封鎖はウイグル人弾圧と同じ手法、中国市民の「目覚め」願う亡命者
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■「今に始まったことではない」
ジェウヘルさんは「武漢の感染者や非感染者に対する扱いは、今に始まったことではない。自宅に閉じ込めたり、食料を与えなかったり、過去10年にわたってウイグル人が経験してきたことと、とてもよく似ていると分かった」と指摘。
政府の抑圧的な行為に対し「中国の市民がこんな形で目を覚ます」のが残念だと話す。
「でも、彼らが共感するようになってくれたり、私たちは皆同じ状況に直面している…ということを知ってくれたりしたらと願っている」
ジェウヘルさんの父親であるイリハム氏は、「ウイグルオンライン(UighurOnline)」という名のウェブサイトを運営し、同自治区における民族間の緊張に目を向けさせる穏健な主張で名声を得ていた。
ジェウヘルさんは、父親に対する罪状は「ばかげたもの」で、ウイグル人やその他の少数民族への扱いについての批判を黙らせるために父親は逮捕されたと話す。
ジェウヘルさんによると、2017年以降イリハム氏の消息が途絶えており、父親が「(別の場所へ)移送されたのか、まだ同じ刑務所にいるのか、収容施設に送られたのかも分からない。生きているのかどうかさえ分からない」という。
新型ウイルスが猛威を振るう今、父親が収容施設にいるかもしれないと想像することは恐ろしい。
厳重に統制された同自治区における新型ウイルスへの感染者数について、亡命ウイグル人や人権監視団体は、当局が報告している数字は正確ではない可能性があると懸念。
また、過密状態の収容施設で新型ウイルスが実際に流行した場合の影響を危惧している。
ジェウヘルさんは「実のところこれが最も懸念していることの一つ」と話し、WHOに対して「現状と実際の数字を評価するために」同自治区へ代表団を派遣するよう求めている。(c)AFP/Nina LARSON