【2月29日 東方新報】新型コロナウイルスの感染拡大で中国の多くの人々が苦しむ中、60年以上にわたり中国と交流を続けている日本の松山バレエ団(Matsuyama Ballet)が動画で応援メッセージを送り、中国の国歌を合唱した。中国のマスコミやインターネットで繰り返し紹介され、大きな反響を呼んでいる。

 約3分間半の動画は、日本語と中国語でメッセージを伝えている。清水哲太郎(Tetsutaro Shimizu)総代表が最初に「数千年もの長い間、中国は日本に大切なことを教え続けてくださいました。人間の最も大切な瞬間は一番苦しい時です。その時こそ、人の力が一番あふれ出る時なのです。めげず、くじけず、へこたれず、あきらめず、この目に見えない敵と粘り強く闘って、必ずや勝利を呼び込みましょう!」と呼びかけ、約30人のバレリーナが中国の国歌「義勇軍行進曲(March of the Volunteers)」を合唱。

 さらに森山洋子(Yoko Moriyama)団長が「武漢(Wuhan)の皆さま、中国医療界の皆さま、偉大な中国人民、この苦難を乗り越え、次なる苦難に備えよう」と祈りを込めた口調で呼びかけた後、全員が中国語で「私たちは中国を愛しています。武漢頑張れ、中国頑張れ、人類頑張れ」と唱和した。

 動画は中国中央テレビ(CCTV)や共産党機関紙系列の環球時報(Global Times)、ネットメディア新浪網(Sina)などが次々と取り上げた。ネットユーザーからは「バレリーナたちが義勇軍行進曲を歌い始めた時、涙が出てきた」「日本の人々がここまで中国を心配してくれることに心から感謝します。無事、東京五輪が成功しますように」という感激、感謝の書き込みが相次いでいる。

 義勇軍行進曲は抗日愛国歌曲として誕生し、抗日戦争(日中戦争)の期間中に普及した経緯から、「このバレリーナたちは歌の由来は知っているのだろうか?」という疑問の声も出ているが、すぐに「松山バレエ団は中国と日本の国交が成立する前から、半世紀以上にわたり友好活動を続けているのだよ」と教えさとす返信が書き込まれる。