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 トップレベルのアスリートとして長寿を保っていることは、チュソビチナ本人は大して気にしていないかもしれないが、タシケントの国立体操センターで一緒に毎日練習を行っている若手選手にとっては、ずっとインスピレーションの源となっている。

 チュソビチナのトレーナーは、「彼女はアスリートとして本当にレベルが高い」「自分の体のことや、その可能性を分かっている。私たちの仕事は、このレベルを持続させる手助けをするだけ」と語った。

 自身もウズベキスタン代表の元五輪選手で、レスリングのグレコローマンスタイルで1996年アトランタ五輪と2000年シドニー五輪に出場した夫のバハディール・クルバノフ(Bakhodir Kurbanov)氏は、妻の代わりに自分のキャリアを犠牲にし、白血病と闘う息子の看病に専念する決断を下したことを何も後悔していないという。

 タシケント郊外の質素な自宅でインタビューに応じたクルバノフ氏は、「8回目はおろか、4回目の五輪すら考えていなかったけれど、彼女は家族の誇りだ」「息子と私は、とにかく彼女と一緒に歩んでいけるように努力している」と明かした。

 現在のところは東京五輪の準備に励んでいるチュソビチナだが、現役を引退したときのプランは膨らんでいる。その一つは、タシケントに体操アカデミーを設立してウズベキスタンの次世代の体操選手を育てること。もう一つは、平均台と跳馬の「体操ショー」を開き、自身のプロキャリアで最後の花道を飾ると同時に、この競技が母国の人気スポーツになることを願っている。

「母国の人々が体操を大好きになり、どれほど美しい競技か見てもらいたい」「人々が(ショーを)見れば、こぞって子どもたちを体操教室に通わせるでしょう」 (c)AFP/Shukhrat Khurramov