【2月18日 AFP】オーストラリアで5か月にわたって猛威を振るってきた森林火災について、調査を行ったオーストラリア国立大学(Australian National University)は18日、全人口の4分の3、数にして約1800万人が何らかの影響を受けたとの結論を発表した。

 30人超が死亡、家屋数千戸が破壊された森林火災による大規模な被害状況が、調査により明らかになった。調査を主導したニコラス・ビドル(Nicholas Biddle)氏は、「ほぼ全オーストラリア人が今回の火災の影響を受け、私たちの多くが今後長期にわたってその影響と共に生活していくことになるだろう」と述べた。

 3000人を対象とした調査では、成人人口の14%が住宅の喪失や損壊、家族での避難を余儀なくされたといった直接的な被害を受けたことが分かった。

 さらに直接被害を受けた300万人に加え、1500万人が森林火災の煙の影響を受けたり、休暇の計画に支障が生じたりするなどの間接的な被害を受けた。

 科学者らは、干ばつと気候変動で悪化した気象条件によって、森林火災が拡大したと指摘している。

 スコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相は、森林火災危機の真っ最中にハワイへ休暇に出掛けたことや、二酸化炭素(CO2)排出量の削減枠拡大を拒否するなどしたことから批判を浴びている。前回の総選挙で現政権を支持した有権者のうち炭鉱新設に賛成する人は、森林火災前の72%から1月には57%と大幅に減少した。(c)AFP