【2月12日 AFP】スーダンの暫定統治機構「最高評議会(Sovereign Council)」の高官は11日、スーダン西部ダルフール(Darfur)地方での戦争犯罪などに問われているオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)前大統領らを、国際刑事裁判所(ICC)に引き渡すことで国内の合意が成立したと明らかにした。

 オランダ・ハーグ(Hague)のICCは、2003年に始まったダルフール紛争におけるジェノサイド(大量虐殺)、戦争犯罪、人道に対する罪で、昨年失脚したバシル前大統領と元側近3人に逮捕状を出している。

 フランスほどの広さがあるダルフール地方での紛争は、当時のアラブ人主導のバシル政権に対したアフリカ系少数民族の反政府組織が蜂起したことで始まった。反政府側はダルフール地方が経済的・政治的に疎外されていると訴えていた。

 高官はバシル氏の引き渡しが行われる時期は明らかにしなかったが、南スーダンの首都ジュバで続いているスーダン政府とダルフールの反政府組織の協議では、ダルフール紛争での犯罪の責任追及と和解が焦点になっていると述べた。国連(UN)は、紛争開始以降およそ30万人が殺害され、避難民は数百万人に上るとしている。

 スーダン政府と反政府組織は、ダルフールでの和平を達成するため、同地域での犯罪を扱う特別裁判所の設置など、複数の案件で合意したという。

 しかし高官は「最初に、ICCに起訴された者たちがICCに出廷しなければならない」と指摘した。(c)AFP/Jay Deshmukh and Abdelmoneim Abu Idris Ali