【12月29日 AFP】スーダン政府と9つの反政府武装勢力は28日、西部ダルフール(Darfur)地方の内戦終結に向けた行程表(ロードマップ)の合意文書に署名した。

 合意文書には、先に南スーダンの首都ジュバで行われた和平交渉で当事者の協議が必要とされたさまざまな課題の概略が示されている。スーダン政府との交渉に関与している9つの反政府勢力の連合体「スーダン革命戦線(SRF)」のダルフール問題主席交渉官、アハメド・モハマド(Ahmed Mohamed)氏は「重要な一歩だと認識している」と語った。

 スーダン政府とSRFが取り組みが必要との認識で一致した課題には、紛争の根本的原因の解決や、難民や国内避難民の帰還、権力分担、反政府武装勢力の政府軍への統合などがある。紛争中の建物損壊といった土地問題への政府の対処法も盛り込まれている。

 和平プロセスは8月に始まった。スーダン政府は現在、ダルフール地方、青ナイル(Blue Nile)と南コルドファン(South Kordofan)両州の3地域の紛争終結を目指し、2週間にわたりジュバでさまざまな反政府勢力と交渉している。調停者らは、2020年2月までの最終合意達成を目指している。
 
 ダルフール紛争は2003年、オマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)前大統領の政権に対し、少数派の非アラブ系住民が蜂起したことで始まった。3地域の反政府勢力は、バシル政権による疎外に対抗して激しい戦闘を展開した。バシル大統領は今年失脚している。

 国連(UN)によると、紛争による死者は30万人前後、避難を余儀なくされた人は250万人に上っている。(c)AFP